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胡飲酒(こんじゅ)

Kooran
Konju
Kooran
舞人 装束 曲姿 番舞
一人 毛縁の裲襠装束
面をつけ桴を持つ
小曲・古楽 新靺鞨・林歌など

胡飲酒(こんじゅ)は、別名で酔胡楽(すいこらく)又は宴飲楽(えんいんらく)等と古楽書に記載ある楽曲で、唐楽の壱越調に属しています。双調に編曲(移調)されたものも伝わっていますが、舞を伴うのは原曲の壱越調の方です。

この楽曲は、林邑八楽の一つとして雅楽の中でも非常に有名な名曲&舞です。
  
胡国の王が酒を飲み、酔って舞った姿を舞にしたものと伝えられています。林邑(現在のベトナム)の僧であった仏哲により、天平8年(736)8月に日本に伝わりました。
 
ただ、現在伝承されているものはオリジナルではなく、仁明天皇のときに改作されたものと言われており、振付は大戸真縄、作曲は大戸清上と伝えられています。 そしてこの曲の舞は、多家(おおのけ)の舞で秘曲とされていました。けれども康和年間(1099~1103)に家中の事件によって、一度は途絶えかけたエピソードがあります。

源師時の日記「長秋記」にこの曲の舞振の一部が表記されています。

 出乱声進庭責躰立、左手取桴、左右各当肩立、先見左方、次見右方
 次仰天俯地、振頭走出、踏乱足、而当捲酌於面留、乱声同留・・・・


 
この曲の楽章は「序」と「破」が伝承されており、曲姿は小曲・古楽です。
「序」は序吹で、「破」は早四拍子、拍子十四となっています。舞人は一人で走舞です。番舞は「新靺鞨」「林歌」などです。
 
装束はこの曲専用の、毛縁の裲襠装束に鳥皮沓、面を付け、袍の上には黒い半臂(はんぴ)を纏い、桴を持って舞います。
桴は酒杓を表しているとされ、それを左右に頻繁に持ち替えて、髪を振り乱しながら、舞台狭しと走り回るという、文字通り走舞のダイナミックな舞振を行います。 
大阪四天王寺の聖霊会では、宮内庁楽部とは違った舞の他、ユニークな所作が伝承されています。通常、舞台の階段は一つで、舞人はその唯一の階段で昇降するわけですが、四天王寺の石舞台はもう一つ階段があり、胡飲酒の舞に限っては、舞台から降りる際はこの階段を使います。これは舞人が酔って間違えたものを表した所作と伝えられています。


~胡飲酒一具(舞立)~
出時 ○林邑乱声
(りんゆうらんじょう)
管楽器は笛のみで退吹 舞人は登場して入手を舞う
○壱越調音取
(いちこつちょうのねとり)
三管の音頭(主席奏者)が奏する
当曲 ○胡飲酒序
(こんじゅのじょ)
拍子七・序吹でニ帖(ニ回繰返し演奏)あり 舞も二帖(各帖ごとの舞振)あり
○胡飲酒破
(こんじゅのは)
早四拍子・拍子十四・七帖(七回繰り返し演奏)あり・二辺目より加拍子 舞も七帖(各帖ごとの舞振)あり.
入時 ○破の重吹
(しげぶき)
舞人が退場の後、止手を奏する 舞人は初太鼓より舞い、入綾にて退場

管絃一具(壱越調)
○壱越調音取
(いちこつちょうのねとり)
三管音取に続いて、琵琶が七撥、箏が爪調を奏する。
○胡飲酒序
(こんじゅのじょ)
管絃吹・延八拍子・拍子十・末ニ拍子加
○胡飲酒破
(こんじゅのは)
管絃吹・早四拍子・拍子二十・末十拍子加
管絃一具(双調)
○双調音取
(そうじょうのねとり)
三管音取に続いて、琵琶が七撥、箏が爪調を奏する。
○胡飲酒破
(こんじゅのは)
管絃吹・早四拍子・拍子二十・末十拍子加



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